Nikkey’s ~ここだけのハナシ~
9月

世界中を旅して、今「民泊」をやっています!

民泊経営、ベビーシッター。31歳

川崎 愛美さん

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法改正で撤退する人達を横目に「民泊」参入

 みなさんは住宅の一部を使う宿泊サービス「民泊(みんぱく)」を利用したり、提供したりしたことはありますか? 私は今、民泊の運営とベビーシッターをして暮らしています。今年の6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、法的なルールが整備されました。年間の宿泊受け入れ日数に180日という上限ができたほか、保健所への届け出や事業報告なども義務づけられています。

 宿泊業界は春の桜の季節、夏休み、冬のクリスマスシーズンが稼ぎ時です。新法が施行される直前の春まで営業し、撤退していった民泊業者もありましたが、私は「むしろ今こそ!」と考えて家を借り、民泊を始めました。現在は複数の物件で民泊サービスを提供しています。

 民泊もベビーシッターも、自分の裁量で仕事ができます。休みを自分で決められるので体調管理もしやすく楽です。その反面、働かなければ収入はありませんし、利用者の反応がダイレクトに影響する仕事なので、気を抜けない厳しさもあります。

約4年かけて世界5大陸を巡りました

 出身は北海道です。北海道は外国人観光客がとても多いのですが、他の行政に比べて外国人向けの観光事業が手薄でした。いずれ地元で外国人を対象にした観光事業の手助けができればと思い、高校を卒業して1年弱会社に勤めた後、外国語を学ぶために海外へ行きました。

 インターネット電話のSkype(スカイプ)を通じて友達になったモロッコ人を頼りに、まずはスペインのバルセロナに入りました。そこからヨーロッパ、アフリカ、南米、アメリカ、アジア、オーストラリアと、時折日本に一時帰国しながら約4年かけて世界中を旅しました。

大学で浮世絵を勉強中です

 旅の途中、米国で通ったあるワークショップで、毎日自分のことを話す時間がありました。語学力不足よりも自分の考えを語らねばならないことがとても苦痛でした。日本の義務教育では、自分の意見を持ったり議論したりする力がほとんど養われないことを痛感しました。

 もう一度しっかり勉強したいと思い、26歳で帰国後、慶応義塾大学文学部の通信教育課程で学び始めました。今は国文学や美学、社会学などを学びながら、浮世絵が描かれた江戸時代の社会風俗などを研究しています。

 浮世絵を研究している理由は、かつて友人と一緒に浮世絵のアーカイブ化という仕事をしたことがあったからです。日本では浮世絵コレクターの高齢化が進んでいます。数多くの作品が表に出ることなく忘れられてしまう危機にあり、アーカイブ化することで貴重な文化を保護しようと取り組んでいました。今はこのプロジェクトから離れていますが、勉強は続けたいと思っています。

自分から発信することは、大切で、難しい

 実は今、動画投稿サイトのYouTube(ユーチューブ)に投稿を始めたいと考えています。というのも、何かをしたいと思った時に有名であることは大きな武器になるからです。歌手になりたかった地方の若者が、歌とは関係のない動画の投稿を通じて有名になり、東京の大きな会場でライブをする夢を叶えています。彼はユーチューブで稼ぐことが目的ではないため広告もつけていません。ユーチューブの発信力を自分の夢のために上手に利用したケースだと思います。

 何かを訴えたい、貢献したい、叶えたいという時には自分から発信することが大切です。しかし、いざ自分が発信するとなると、自分は他の人より何が秀でているだろうかと考えてしまいます。これまで、私はネットの記事を書くライターをしたり、本を書きたいと思い構想を練ったりしたこともあるのですが、専門的な知識がなく力量不足を感じました。ただ、技術よりも情熱が大事であることはわかりました。

来年はデンマーク滞在を計画中!

 今は慶大生という立場を最大限に利用して専門性を身につけたいと思っています。まずは2年後に卒論という集大成の場があるので、そのテーマを絞っているところです。浮世絵にするか教育にするか思案中です。

 一度北欧の教育事情を見てみたいと思い、デンマークに滞在できるワーキング・ホリデー制度の申請を30歳のうちにしておいたので、来年1年間はデンマークで勉強する予定です。民泊は中断して、勉強を優先しようと思っています。

ニッキィズ一問一答

Q.

今までに買った一番高価なものは何?

A.

「整体の勉強代です」

Q.

近頃、衝動買いしてしまったものって何?

A.

「最近ダニが発生してしまい(苦笑)。殺菌効果のあるアロマランプを買いました」

Q.

健康や美容のために心がけていることは?

A.

「ミュージシャンの星野源さんの『人生って辛いけれど笑おうぜ』というポリシーが好きです。人生色々ありますが、悲しんでいる場合じゃないと前向きになれます」

Q.

お金にかえられない元気の源は?

A.

「自然。どこの国でも自然の営みに元気づけられます。朝日が昇れば『朝が来た!』と前向きになれ、それがあるから生きていけます」

Q.

みんなに教えたいおすすめの本を一冊!

A.

「『アルケミスト -夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ。著者はブラジル人。旅の豊かさを噛みしめられる一冊です」

取材後記

思い立ったら行動する川崎さん。スカイプで知り合った友人を頼ってスペインへ発つなど、その大胆さに驚きます。「海外にずっといると、ふと日本語を聞きたくなる時があって。そんな時、ユーチューブが助けてくれました。だからこそ私もまずは海外にいる日本人に向けてユーチューブで発信をしたい」とのこと。自分の経験からやるべきことを見出し、次々と行動する姿がなんとも頼もしく、世界中を歩いてきた人のパワーを感じました。