イベントレポート
9月26日

2019年6月・club Nikkeyイベント 『自分の体と向き合おう! 女性の体を徹底分析』

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2019年6月14日午後7時から品川グランドセントラルタワー(東京)にある大塚製薬の会議室にて、産婦人科専門医、高尾美穂さんによる講演イベントを開催しました。クラブニッキィWEBサイトでコラム「ニッキィ女性のからだ相談室」を連載中の高尾さんに会えるとあって、平日の夜にもかかわらず集まった女性は107人。「女性ホルモン」「更年期」など気になるキーワードを追いながら、女性の体について学びました。

◎高尾美穂(たかおみほ)さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」で、婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸に女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。クラブニッキィWEBサイトにてコラム「ニッキィ女性のからだ相談室」を連載中。

●女性ホルモンはダイナミックに変化する

はじめに男女の体の違い、女性の体の構造について説明した高尾さん。

「女性が男性と異なる点は『女性ホルモンの存在』『子宮と卵巣の存在』『骨格』などがあげられます。すべては妊娠・出産のためです。子宮は幼稚園児では親指ほどの大きさで、大人になると約7cm×5cm、厚さ3cmになります。医学部の頃はこれを『七五三』と覚えました」

七五三とは、うまい暗記術。わずか手の平ほどのサイズと言われると意外に小さく感じます。

「そんな子宮の左右にあるのが卵巣です。卵巣からは『エストロゲン』と『プロゲステロン』という2種類の女性ホルモンが分泌されています。エストロゲンは女性らしさのためのホルモン、プロゲステロンは妊娠を継続させるためのホルモンです。エストロゲンの分泌がピークを迎えると排卵が起こります。そして、排卵後は妊娠のためにプロゲステロンの分泌がピークを迎えます。月経周期のなかで女性ホルモンはダイナミックに変化しているのです」

●女性の体を守ってくれているエストロゲン

高尾さんのコラムでもよく話題にあがるエストロゲンについて、さらに詳しい解説が続きます。

「私たち女性の体を守ってくれているのが、女性らしさのためのホルモン、エストロゲンです。目に見えないところでたくさんの働きをしています。エストロゲンの主な働きと、エストロゲンが失われた時に女性に起こる変化やリスクを見てみましょう」

〈エストロゲンの主な働き〉

①月経をおこす

②女性らしい体をつくる

③コレステロール値を下げる

④血管の弾力性を保つ

⑤骨を丈夫に保つ

⑥肌や髪を美しく保つ

⑦自律神経の安定

エストロゲンがなくなると......

①月経をおこす → 生理がこなくなる

②女性らしい体をつくる → メリハリがなくなる

③コレステロール値を下げる → 高脂血症

④血管の弾力性を保つ → 動脈硬化

⑤骨を丈夫に保つ → 骨粗しょう症

⑥肌や髪を美しく保つ → パサつき

⑦自律神経の安定 → 不安・うつ

想像以上のエストロゲンの働きの多さに驚きます。「エストロゲンがなくなって初めて、私たちは体や心がエストロゲンに守られていたことを知ります」と語る高尾さん。人の体の不思議を感じるとともに、エストロゲンの存在、普段わずらわしく感じる生理という現象にも、感謝の気持ちが湧いてきます。

●閉経は、更年期は、いつやって来る?

「卵巣がエストロゲンを分泌できなくなり、12カ月間生理がこない状態が続くと『閉経』となります。いつ閉経を迎えるかは個人差があり、多くの人が43歳から57歳の間で迎えます。日本人の閉経年齢の中央値は50.5歳です。

そして、閉経の前後5年間ずつを『更年期』と呼びます。100人女性がいたら、100人全員が必ず更年期を迎えますが、更年期症状を自覚するのは50〜60人、更年期障害で治療を要するのは30人ほどです」

誰もが更年期の重い症状に悩まされるわけではない、と聞くと少し不安が和らぎます。その一方、40代前半で閉経を迎える可能性があることも知っておくべき事実でした。知っているようで知らないことが多く、内容豊富な高尾さんの講義。メモを取りながら集中します。

●「タバコを吸うベジタリアンで、年に一度フルマラソンに挑戦」は要注意!?

いずれ必ず閉経を迎える私たち。女性の体のお守りともいえる「エストロゲン」が減少するなかで、どのような対策ができるのか。講義の後半は、閉経前と閉経後、それぞれにできる対策について解説です。

〈閉経前にできること〉

「エストロゲンが出ている間は減らさないように努力し、閉経を早めないことが大切です。閉経を早めてしまう主な原因は以下の4つが挙げられます。

①喫煙

②食生活・肥満

③ストレス

④運動不足

喫煙によって平均2年は閉経が早まると言われています。また、エストロゲンの材料はコレステロールなので、良質な脂質の摂取は必要です。『タバコを吸うベジタリアン』は閉経が早まる可能性があります。

ストレスもよくありません。夜なのに明るい環境で過ごしていたり、寒暖差の激しい環境を行き来していたり。運動習慣がないのに、年に一度フルマラソンに挑戦するなども体に大きなストレスになります」

〈閉経後にもできること〉

「エストロゲンが減ってからできる対策は、主に3つあります。

①ホルモン補充療法

②漢方

③植物性エストロゲン

①の『ホルモン補充療法』は、生理時の約3分の1の量のエストロゲンを補うものです。日本での普及率はわずか2%ですが、欧米各国では40%前後の女性が利用しています。更年期症状のひとつであるホットフラッシュの軽減、骨密度の変化率や皮膚へのよい効果がわかっています。

②の『漢方』には、更年期症状に有効と言われる、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあります。漢方の効果には個人差があるため、体質に合うものに出会えればラッキーと思ってください。

③『植物性エストロゲン』とは、エストロゲン様作用をするエクオールという成分のことです。大豆イソフラボンが腸内細菌によってエクオールという成分に変換されると、エストロゲンに似た働きをします。しかし日本人女性は2人に1人しか、エクオールへ変換する腸内細菌を持っていません。数年前からは、自分がエクオールを作れるか否かを尿検査で手軽に確認できるようになったので、興味のある人は一度チェックしてみてください」

ちなみに、高尾さんはエクオールを作れない体質だったそうで、エクオールのサプリメントで補っているとのこと。講義のなかではこのほかにも、高尾さんが健康のために愛飲しているミネラルウォーターやサプリメントの話など、参考になる話が盛りだくさんでした。

「長い人生を自分が思うように生きるために、できることがいろいろあります。医療や研究はどんどん進んでいます。正しい情報を手に入れて、賢く、上手に選択していきましょう。日々のチョイスの積み重ねがこれからの人生をつくります」

●「健康リテラシー」を上げよう!

イベントの締めくくりには、大塚製薬の女性の健康推進プロジェクトリーダ--、西山和枝さんが登壇。同社が長年研究を続けるエクオールについて、そして、女性が働く環境づくりや健康リテラシー向上への啓発活動について話しました。

「ある調査結果では、月経前症候群(PMS)や更年期障害の影響を考え、昇進を辞退したことがある、または、辞退しようと考えたことがある女性の合計は60%以上にのぼりました。

女性が長く働き続けるためには、女性特有の体のリズムや健康問題について女性自身も職場全体も正しい知識をもち、健康リテラシーを向上させることが必要です。

更年期症状や更年期障害があっても、何も対策をしていないという女性は多いです。仕方のないものと考えず、私たち女性自身がまず自分のために対処方法を考えていくことが大切です」

大塚製薬ではWEBサイト「更年期ラボ」https://ko-nenkilab.jp で、更年期の対策方法や相談施設の紹介を行なっています。また、健康リテラシー向上のための企業向け出張セミナーなどもあるそうです。

参加者全員に、エクオールのサプリメント「エクエル」のほか、大塚製薬の食品や飲料がプレゼントされました。

講演終了後、高尾さんや西山さんに質問や相談をするニッキィさんたちの姿も。なかなか人に聞けない疑問や不安を解消する機会にもなったようです。正しい知識を身につけ賢く選択するヒントをたくさんもらった、充実のイベントとなりました。

=参加者の声=

「自分の体の不調をやり過ごすのではなく、取れる対策を探し、選んで、セルフケアを意識的に行いたいと思いました」

「前向きな気持ちになれました」

「高尾先生の話が面白すぎました!」

「魅力的な切り口と語り口で非常にためになった。この内容を職場の人や知人と語りたい」

「22歳の娘にも聞かせたい内容でした」

「健康リテラシーを高めていこうと思いました」

「エクオールのことがよくわかった」

「会社の上司の健康リテラシーを上げるためにも、今日のセミナーのことを話してみます」

★今後も、ニッキィ会員さんの好奇心や知識欲を満たす、楽しいイベントを企画して参ります。どうぞ、お楽しみに!